住宅セーフティネット 空室対策に家賃補助!(家賃補助編)

補助金 家賃 住宅セーフティネット制度

改修費補助に続いて、家賃低廉化補助について考察してみます。この補助は、低所得の住宅確保要配慮者のために、家賃を下げて募集した場合(こんなホトケ大家さんいます?)、下げた分と市場相場家賃との差額を補助金で埋め合わせをしてくれるものです。値下げ合戦が起きている地域の大家さんには朗報な制度かもしれません。しかし、シバリもあるのでよく確認してみましょう。

家賃低廉化補助の概要

補助の対象

貸主

入居者ではなく、大家さんが補助金を直接受け取ることができます。きちんと申請が必要です。

低廉化の対象世帯

月収15.8万円以下の世帯

ただし、生活保護で住宅扶助を受給している世帯は除かれます。

補助限度額

最大4万円/戸・月

国が2万円、自治体が2万円ずつ折半で補助をだします。

家賃が6万円の物件であれば、入居者負担が2万円。補助金から4万円を受け取ることができます。

補助を受ける前の設定家賃

周辺相場と同等以下とすること

補助の期間

管理開始から原則10年以内

ただし、限度額である480万円(4万円×12ヵ月×10年)を超えなかった場合、最長20年まで480万円に達するまで補助を受け取ることができる。住宅セーフティネット制度 家賃補助 期間横浜市の説明資料より

補助金を受けるメリット・デメリット

メリット

補助金は1ヵ月あたり最大4万円。補助期間は10年間

最大で4万円も家賃補助を受けることができるなら実質の家賃収入を下げずに入居者を確保することが可能です。

補助金の支払われ先が大家直接

入居者に支払われて軽減させるわけではないです。

募集のチャンネルが増える。

登録住宅と同様に、専用住宅は国の運営するサイト、セーフティネット住宅情報提供システムへ掲載と、自治体のHPにも募集情報が掲載されます。

また、法律上は「原則、公募」とありますが、一般的な不動産屋への広告掲示もOKで、申し込み先着順も認められています。

 

デメリット

10年間のシバリ

住宅確保要配慮者の専用住宅として10年管理する必要があります。これは改修費補助と同様です。補助を受けるならそれに則った運用をしなくてはいけません。

礼金・更新料の禁止

大家さんが受け取ることができるのは家賃、共益費、敷金のみと決められています。礼金や更新料は設定することができません。補助金を使って、入居者の負担を下げているのに、これらを取るのはよくないという判断です。

その他の注意点

空室物件のみが対象

補助金申請をするときは空室でなくてはだめで、既存入居者に適用させることはできません。

やっている自治体が少ない

これがクリティカルです。

共産党議員と国交省の答弁を国会中継で見たのですが、実施している自治体は2019年3月時点で23カ所です。都道府県と市区町村併せて、自治体数は全国で1,788あるなか、都道府県で3、市区町村で20しかやっていないとのことです。

これではセーフティネットとして機能していないと、共産党議員から国交省は突っ込まれています。今後打開策を打って広がっていけばいいと私も思います。

 

平成30年度に家賃低廉化に手を挙げた自治体

※年度が切り替わった現在も継続して補助を出しているかはご確認お願いします。検索して該当HPがヒットしたところはリンクを貼っています。

 

北海道 網走市音更町

岩手県 花巻市

宮城県 大崎市

山形県 南陽市、白鷹町、鶴岡市

栃木県 栃木市、茂木町

東京都 東京都、八王子市世田谷区、墨田区、豊島区

神奈川県 横浜市

静岡県 長泉町

愛知県 名古屋市

京都府 京都市

兵庫県 兵庫県、姫路市

鳥取県 鳥取県、鳥取市

長崎県 雲仙市

建物の要件は登録住宅と同じ

25㎡以上や新耐震基準であることが条件となってきます。

要件確認用の過去記事

築30年の築古物件の空室対策 住宅セーフティネット制度(登録住宅編)
住宅セーフティネット制度について、「①登録制度②経済的支援③入居者のフォロー」の3点の柱があると前回記事で触れました。本日は①登録制度について深堀してみていきたいと思います。登録制度とは住宅確保要配慮者を受け入れてもいいよ、という物件を自治体に登録すること。新たな住宅セーフティネット制度のベースとなっている部分です。

まとめ

・月に最大4万円家賃補助をうけとれる

・補助金使ったら10年間は要配慮者専用の住宅のシバリ(改修費補助と同じ)

・補助を受けると、礼金、更新料は取れなくなるので注意

・やりたいと思っても実は補助金を実施していない自治体が圧倒的に多い(今後期待)

 

空室対策に活用できる補助金制度です。

賃料を下げても実質的に手取りは減らないわけですからね。ただ、礼金や更新料といった収入は受け取ることができませんので、総合的な利回りは下がる可能性もあります。

 

私がこの制度に活用が向いていると思う物件は、新耐震でも30年以上経つ物件です。礼金などは既に取れなくなってきていますので、利回り下落の心配も杞憂です。

あと改善が期待されるのは、「やるよ!」と手を挙げている自治体が少ないところですね・・・。

 

次回は、登録住宅・専用住宅に入居した住宅確保要配慮者の入居をサポートする居住支援法人について紹介していきたいと思います。

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